夢で触ったカニのような鉱石

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熱海と火星を足したような場所へ行った。

風呂上がりのサッパリ感でスリッパで、オレンジ色の絨毯の上をすり足で歩きつつ、
これから見るお土産売り場をゆったり背中に感じつつ、目の前に広がるガラス越しの、ちょっと日本庭園風の庭をなんとなく見ると、左手奥、苔むしたすり鉢状の地形中央にぽかっとあいた黒い穴から、エメラルド色の巨大なカニが群れで這い出していた。

突如有機的な動きをするものが群れで出てくるのが異様で一瞬固まったが、私が知らなかっただけで、ここではこの光景が当たり前のようだった。噴泉地みたいに、天然を柵で囲んで観光の呼び物にした施設を、ちょっと庭でやっているかんじらしい。しかもこのカニは現地でさほどめずらしくもなく、特に柵らしきものも注意書きの看板もなく、なんだか触ってもよさそうだ、と思ったら庭に出ていた。

静かにこちらまで寄ってきて庭石に乗りじっとしている一匹を、両手で抱えてみたらでかいカニ、というかほとんど鉱石で、十キロぐらいあった。抱えてもおとなしい、というか動きようのない鉱石だった。

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