似顔絵の話 試聴室その2の話

先日横浜に遊びに行って、帰りに黄金町にあるライブハウス試聴室その2に行った。
午前中だったのでまだ開店しておらず、ぴったり扉はとじられており、その前に白い木の看板がぽんと置いてあるだけだった。

前回行ったのは昨年秋のカラオケ大会で、優勝した原田仁さんがすごかった。なんなんだろうあれは。謎の感動。いきてる間に一回でいいのであんなふうになりたいような気がしています。カラオケ用のモニターに本気で向き合う原田さんの鋭い前傾姿勢を思い出しながら煙草をすいたいのですいながら、店の大きな窓ガラスの内側から通りにむけて貼りだしてある「2月のライブスケジュール兼チラシの紙」を上から下まで見る。看板をひとなでしてみる。久しぶりに会うひとたち皆様にいっぱい会えてたのしかった横浜だったので、まだ帰りたくないような気分からこのような奇行にはしる。離れたところに住んでいるので頻繁に遊びにこれません。帰りの電車に三時間のらねばならぬのでした。
しばらくこっちにこれないけど今月は何やるんだろーというのだけ見ておいた。

その翌々日、関東圏の友達からメールが届き、以下の画像が添付されていた。
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これは試聴室その2の店長三沢さんがいつも手描きで描いてお店の簡易的なウェルカムボードに貼りだす紙です。
私がいかにも見にいきそうなイベントなのに見にこれないのを哀れに思った友達が写真をとって送ってくれた。

試聴室その2知らないわ。あまりライブハウスとか行かないわ。というかたのために、まずこの紙に書いてある情報を整理します。

【イベントタイトル】週刊大谷能生の仕事部屋(毎週大谷能生さんが試聴室その2で仕事をするところを見る集い)
【開場時間】 19:00 【開演時間】 19:30
【料金】投げ銭要1d(お客様のお気持ちで演目に好きな額を支払う。ドリンク一杯注文必要。)
【右の顔】店長三沢さんによる大谷能生さんの似顔絵

ということになります。

たとえばこれを私の友達である、桜井翔君大好きなトモちゃんが見に行ったならば、この紙の前で似顔絵にうふふと笑ったあと、1分ぐらい意味内容の読解にかかります。メールで「春ちゃん1dってなに?」となります。また、こういう所に行きつけているかたはおそらく似顔絵だけ0.2秒みて入場します。空席をさがすためになんとなくあたりを見回し、セッティングなどしてる大谷さんの顔を似顔絵とてらしあわせてちらっと見つつ、店の真ん中にある四角いコンクリートの大黒柱、その四面に作りつけてある天井まである本棚から前回読みかけだった漫画などを手にとり、「今日投げ銭です?」とかカウンターで、ビールを注文しながらお店の人に再び聞いたりします。人は慣れると適当になってきますがきっと親切に教えてくれます。その、どちらのタイプのひとでもOK大歓迎、店の天井が高くて気持ちよく敷居が無いのがさらに気持ちよい。ごはんがおいしい。休憩時間中に古着まで探せる。住みたい。いや、居る間の感覚は住んでる感覚に近いです。それが試聴室その2です。

この写真で重要なのは三沢さんの似顔絵です。この写真を撮影して送ってくれた友達は私に三沢さんの絵を見せたかったのです。私は試聴室その2からずいぶん遠方に住んでおり、たぶんこれを見に行くことできない。それを承知であえてこの画像を送ってくれた最大の理由、だいの大人ふたりがパケット代を支払う理由はそこにあります。

この写真をもらってから書いた日記が以下4ページ分です。
この写真一枚で喜ぶ人間がこの世の中にはいるのです。
三沢さんの似顔絵は似ている。
自分のかいたのと並べて共通点相違点を分析したい。
みんなで大谷さんの似顔絵を描きたい。
そして試聴室その2の月間スケジュール表、こないだお店の外からしか見れなかったけどやっぱ手元にほしい。
行ってもいけなくても壁に貼っていたい。
そういうことが書いてあります。
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追記 
・店長の手描きスケジュールが貼ってある店といえば荻窪のベルベットサンもそうです。あの筆書きの書体がいい。鉄人道場六三郎のお品書きみたいな気合がある。毎晩ガチ一本勝負感が文字から非常に漂いつつ、モダンでとってもベルベットサン。店の持ち味が手描きスケジュール一枚ではっきりわかるもう一つの例。対照的。
・ちなみに週刊大谷能生の仕事部屋は、ノートパソコンが広く普及してから仕事部屋が外に持ち出せるようになったうんぬんの話をする会ではなく「地元横浜からあまり出たくない!」という大谷さんのまぶしい本音を具体化した企画のようです。その感じ即やる感じ試聴室。その2。



下呂派〔get uppa!〕

下呂派、下呂裏。
岐阜県下呂市から戻りましたはるたです。
よい湯、よい人、よい仕事!

12月 実行こそ最大の約束。
 1月 意志ある所に道がある。
(日本調理師会カレンダーの格言)

ひらのくんこばやしさん、にてる?

板長もめちゃかっこよかったのですが、びびって写真くださいっていえませんでした。笑 
お世話になりました◎

追記 2/14
今この絵、支配人が印刷してSさんの板のすぐ横の冷蔵庫に掲示された模様です。
老舗のいきなはからいに大感激!